[2018/08/08]レノクラ

追いかけることに天賦の才があるレノさん / レノクラ / 文庫ページメーカー  鼻が利くとよく言われるが、それは多分違うと自分では思っている。経験から逃げるものがどこに行きそうなのかだいたいわかるし、研修時代に唯一面白か…

[2018/08/03]レノクラ

高いところが好きなレノさん / レノクラ / 文庫ページメーカー  レノは高いところが好きだ。 月並みだが、高いところから地表を見下ろすとまるで自分が鳥になったような気分になるし、空が少しだけ近づいた気がして嬉しいからだ…

[2018/08/01]レノクラ

スーツでポン刀提げたクラウドちゃんが見たい / レノクラ / 文庫ページメーカー 「やっぱお前、何でも似合うなあ」 口をついて出たレノの第一声はそれだった。思わず言ってしまう程度には、少し苛立ちの混じった動作でカフスボタ…

[2018/07/31]レノクラ

ケツに顔突っ込むレノさん / レノクラ / 文庫ページメーカー  突然、もふんと尻に何かが突っ込んできた。「……」 それまで適当に拾い上げた雑誌をベッドに寝そべったまま読んでいたクラウドは、突然の衝撃に思わず顔を上げて後…

[2018/07/23]レノクラ

レノさんの顔が好きなクラウドちゃん / レノクラ / 文庫ページメーカー  レノが寝ている。「……はあ」 三度目の呼びかけにも返事がなく、まさかと思って見てみればそこには抱きついたまますやすやと安らかに寝ている赤毛の男が…

[2018/07/13]レノクラ

コトの途中で水分補給してほしい / レノクラ / 文庫ページメーカー 「オマエさ、サマになるよな、と」 心のなかにふと浮かんだ一言をそのまま口に出したら、相手はきょとんとした視線を寄越してきた。いったい何を言ってるんだと…

[2018/07/04]レノクラ

レノさんと話を聞いていないクラウドちゃん / レノクラ / 文庫ページメーカー  喫煙室の扉を開けやけに疲れた様子で入ってきたのは、自分と大いに因縁のある配達屋だった。 その顔を見た瞬間、レノは「なんでお前ここに」という…

[2018/06/27]レノクラ

直後平手打ちされるレノさん / レノクラ / 文庫ページメーカー  艶やかなドレスに身を包んだ「彼女」を壁際に追いやり、腕を壁につき逃げ場を奪うように見せながら、自分とクラウドの口元を隠す。周りから見えなくなった瞬間、蕩…

[2018/06/26]レノクラ

後でクラウドちゃんが顔真っ赤にする / レノクラ / 文庫ページメーカー 「あれ、先輩、髪の毛かわいい」 唐突に後輩からそんなことを言われたレノは、内勤のあまりの退屈さに脳が麻痺していたためか、すぐに反応することができな…

[2018/06/22]レノクラ

モーテル / レノクラ / 文庫ページメーカー  皺だらけの紙幣が目の前にあった。 まだ日が昇ったばかりの時間帯だろう、灯りの落とされた部屋の中は薄暗い。ついさっきまで——といっても、実際は数時間前だろう——近くにいたは…