盾と配達屋
グラクラ / pixiv クレイラスと言うらしかった。 突然聞いたことがある声が聞こえて足を止めたのがそもそもの始まりだった。柄にもなく耳を澄ましてその声の方向を見てみたら、明らかに偉い人とわかるような姿の男が、黒い制…
グラクラ / pixiv クレイラスと言うらしかった。 突然聞いたことがある声が聞こえて足を止めたのがそもそもの始まりだった。柄にもなく耳を澄ましてその声の方向を見てみたら、明らかに偉い人とわかるような姿の男が、黒い制…
コルクラ / pixiv 「あんた、寝てないだろ」 目線を合わせるなりのその言葉に、コル・リオニスは一瞬反応が遅れた。おそらく言われるであろうと予想していた、「初めまして」だとかそんな当たり障りのない言葉でもなんでもない…
リブクラ / pixiv ※あがたさんからのリクエスト すべては彼の思惑通りに進んでいた。 リーブ・トゥエスティはその日の仕事をつつがなく終えると、秘書官たちに後を任せて執務室を出た。もちろん、「早めに切り上げて帰って…
WRO 特別収容プロトコル (6) / リブクラ / pixiv 「——こんばんは。まだやってますか?」 店を閉める間際に聞こえた渋い声に、彼は顔を上げる。そして、一日の仕事で疲れていた顔をほころばせ、「どうぞ」と中へ招…
ロソクラ / pixiv ※流血・捕食表現あり 部屋に入った途端、衣擦れの音が聞こえた。 起きているのかと声を掛けたら、返事の代わりに低い呻き声が聞こえた。どうしたのかと寝床をのぞき込むと、その中に寝かされている彼は何…
リブクラ / アバランチ組 / pixiv ——穏やかな初夏の日だった。 午後の予定を早々に終えたリーブ・トゥエスティは、その日最後のタスクを片づけるため、端末の電源を落とした。「後はよろしくお願いします」「はい、了解…
WRO 特別収容プロトコル (5) / リブクラ / pixiv ※流血表現あり お久しぶりです、なんて優しい声をかけられると、いつもぼろぼろと涙がでてしまう。特別涙腺が弱くなってしまったわけではないのに、リーブに会う…
バレクラ / pixiv ——始まりは最悪だった。すくなくとも、向こうにとっては。 どうしてそんなことをしたのかなんて今から考えても思い出せないが、むしゃくしゃしていたことはかろうじて覚えている。そして、当時アバランチ…
ホルクラ / pixiv ※性的表現あり 眠れないのか、と声をかけると、じっと天窓の向こうを見つめていた金髪の青年がゆっくりと振り向いた。「……ホルゾフさん」「よかったら、これでも飲みなさい。体が暖まるから。——酒は大…
リブクラ / pixiv 彼は静かだ。 今までも積極的にしゃべるようなタイプではなかったが、今は輪をかけて静かだった。与えられた部屋の床、お気に入りのタオルケットの上に座っている彼は、朝から晩まで、話しかけても何もしゃ…